外来受け付け、レセプト作成…女性の役割大きく

 一昨年3月、横浜市鶴見区にオープンした済生会横浜市東部病院。明るく近代的な病棟と最新設備を誇る地域中核病院だ。ここの医療事務を委託されているのは、業界大手の日本医療事務センター(本社・東京都千代田区、土屋修社長、連結従業員2万5672人)。

 同社のスタッフ157人は外来の受け付け・会計、入院事務、看護補助、レセプト作成など、直接的な医療行為を除く幅広い業務を担当している。事務の代行だけでなく、経営分析や経営改革といったコンサルティングも手がける。「下請けでなく、パートナーという位置づけ」と、首都圏ブロック営業課の佐藤康課長は説明する。157人の9割以上が女性だ。

統括責任者としてスタッフを率いる有野佳江さんは、証券会社社員や成田空港のグランドホステスを経験した後、「一生できる仕事を」と医療事務を志した。「空港でファーストクラスの乗客の応対などをするうち、困っている人や体の弱い人をケアするような仕事がしたいと強く思うようになった」と振り返る。

 医療事務の専門学校で1年間学び、地元・山梨県の病院に就職。しかし、5年後に人間ドックへ異動しなければならず、「やはり患者さんと接していたい」とその病院を辞め、10年前に日本医療事務センターに入社した。同社が「アットホームな雰囲気だった」ことや、多くの医療機関から業務委託を受けているので「いろいろな病院で仕事ができ、可能性が広がる」と考えたからだ。

 「医療事務の現場では、患者さんに優しい言葉をかけ、喜んでもらい、ホッとしてもらえる。時には、先生に言いにくいことの聞き役になる。お年寄りなどに感謝され、役に立てるのがうれしい。後輩たちの成長も楽しみ」と有野さん。

 同社は、現場社員が幹部候補となれる制度を設けており、管理職の4割を女性が占める。その割合は上場企業中かなり高い方だ。前社長の中村澄子さんも、35歳で主婦からパート社員となり、現場からたたき上げたトップだった。首都圏ブロックの市川昌浩部長は、「医療事務は女性に適している。女性のマネジメント層がいかに育つかが社の将来を左右する」と話す。

 病院にもサービス力が求められるようになってきたことから、同社は一昨年から、患者接遇のスペシャリストを育てる「ホスピタルコンシェルジュ」検定試験を開始した。医療機関に必要な接遇スキルと、実務知識とを兼ね備えた人材の養成が目的だ。

 財団法人・医療関連サービス振興会が全国3000病院、1500事業者を対象に3年ごとに実施している調査では、医療事務の委託率は1991年から2006年までの15年間に、23・1%から38・3%にアップした。病院経営をサポートする医業経営コンサルティングの委託率も、15年間に5・5%から13・5%へと高まっている。

 有野さんは、「医療事務は、ノウハウを覚えるとどこの病院でも通用する。夫が転勤しても転勤先にある病院で働けるし、子育て後の復帰もブランクを感じさせない。年齢にも関係なく続けられ、女性に向いている」と話している。

出典 2009年1月26日 読売新聞


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2010年02月17日 07:12

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